第5回で、当たりも外れも全部記録する仕組みについて書きました。
今回は、その予想をどう見せるかという画面の話です。
情報を増やし続けた結果、自分がいちばん見たい数字を自分で消していました。
全部載せたら、自分で見なくなった
作っているときは、載せられる情報を全部載せたくなります。
1日156〜168レース分の予想、各艇の1着率と3着以内率、選手タグ、荒れ予報、4種類の買い方の比較、結果、日別成績、会場別成績、荒れ予報別の成績。
全部画面に出しました。
そして、自分がその画面を見なくなりました。
開くのに気合がいるからです。
10秒で何を知りたいのか
そこで、自分が実際にどうサイトを使っているのかを観察しました。
見るのは、だいたい仕事の合間です。
スマホを出す。サイトを開く。10秒くらい見る。そして閉じる。
その10秒で知りたいことは、ほぼ1つでした。
「いま締切が近いレースで、AIは何を推しているのか」
日別の回収率は、その10秒には要りません。
会場別成績も要りません。そういう数字は、見たいときに腰を据えて見ればいい。
軽量表示を既定にした
そこで表示を2つに分けました。
| 出すもの | 軽量表示(既定) | 詳細表示 |
|---|---|---|
| 出走表・1着率・3着以内率 | 出す | 出す |
| AIの買い目 | 出す | 出す |
| 結果と収支 | 出す | 出す |
| 選手タグ | — | 出す |
| 4種類の買い方の比較 | — | 出す |
詳細表示を消したわけではありません。
むしろ、詳細を安心して増やせるようにするために分けました。
既定画面が軽ければ、分析用の情報を詳細側へ追加しても、普段使う画面は重くなりません。
156レースを数レースまで減らす
もうひとつ追加したのが、「締切30分以内」のレースだけを表示するボタンです。
この機能は、サーバ側を作り直す必要がありませんでした。
締切時刻はすでに各レースのデータに入っています。あとはサイトを開いている端末の現在時刻と比較するだけです。
ボタンを押すと、最大156レース以上並んでいた画面が数レースまで減ります。
私が欲しかった「10秒で見終わる画面」は、結局これでした。
更新されないので、キャッシュを疑った
もうひとつ問題がありました。
サイトを開いたままにしていると、レースが終わっても結果表示が変わりません。
最初はキャッシュを疑いました。
配信側のCache-Control設定や再検証の動きを調べて、キャッシュ周りをいくつか変更しました。
しかし症状は変わりません。
原因はもっと単純でした。
開いたタブが、最初にデータを読んだきりだった。
新しい結果を取り直す処理そのものが、どこにもありませんでした。
そこで3分ごとの自動再取得と、手動の更新ボタンを追加しました。
キャッシュ設定も無関係ではありませんでしたが、今回の主因ではありません。
「更新されないならキャッシュだろう」と決めつけたせいで、少し遠回りしました。
いちばん大事な数字を、自分で消していた
軽量表示と詳細表示を分けたとき、私は出走表を詳細側へ移しました。
これが間違いでした。
既定表示は軽量なので、各艇の1着率と3着以内率が普段の画面から消えてしまったのです。
この2つは、単なる補助情報ではありません。
AIが各艇をどう評価しているのかを見るための中心的な数字です。
買い目は、その評価から作られた結果にすぎません。
第1回で「当てる買い目だけを見るのではなく、確率そのものを見る」と書いたのに、画面ではその確率を隠していました。
気づいたのは、自分でサイトを見ていて「あれ、1着率どこ行った?」と思ったときです。
作った本人が数日間気づかなかったのですから、初めて見る人にはもっと分かりません。
主役と脇役を入れ替えた
出走表を戻すだけでなく、画面上の大きさも見直しました。
| 要素 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 1着率 | 12px 標準 | 17px 太字 |
| 3着以内率 | 12px 標準 | 15px 太字 |
| 出走表の行の高さ | 7px | 10px |
| 買い目 | 20px 太字・2列 | 14px・3列 |
| 投資額 | 14px | 13px |
1着率と3着以内率を大きくし、逆に買い目は少し小さくしました。
見せたい順番を、画面上の大きさにも反映させた形です。
出走表は軽量表示でも詳細表示でも必ず出すことにしました。
同じ間違いを繰り返さないよう、表示モードによって出走表を消す変更をすると失敗するテストも追加しました。
成績を出す場所も減らした
運用成績の置き場所も整理しました。
現在は、トップページ、結果一覧、「このサイトについて」の3か所を中心に表示しています。
今日の予想を見る画面の上部には置きません。
今日のレースを確認しに来た人にとって、累計回収率は最初に見る必要のある情報ではないからです。
回収率78%という数字を隠したいわけではありません。別の場所ではそのまま公開しています。
ただ、「全部公開すること」と「すべての画面で全部見せること」は別です。
情報を増やすより、必要な瞬間に必要な情報だけ見えるほうが使いやすい。
自分で使わなくなったことで、ようやくそこに気づきました。
次回は、選手の特徴を機械的にタグ付けした話です。
「女子戦に強い選手」というタグを作ったところ、なぜか男子選手が32人出てきました。

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