競艇(ボートレース)では、選手のけがや体調不良などで1艇が欠場し、5艇でレースが行われることがあります。 そんなとき、「1艇少ないぶん1号艇が逃げやすいはず」「大外が3着に残りやすいのでは」と考えたことはないでしょうか。
この記事では、AI予想サイト「TAKENOKO BOAT」が持っている公式データから、1艇欠場で5艇立てになったレースだけを2,927レース集めて、 通常の6艇立てと比べました。舟券の回収率、AI予想モデルや市場(オッズ)との比較まで、数字で確かめています。
結論を先に書くと、大外(最外艇)が3着以内に入る率ははっきり上がりますが、舟券の回収率はプラスになりません。
市場(オッズ)がその分をちゃんと織り込んでいるからです。
この記事でわかること
- 欠場で5艇立てになったとき、1号艇の1着率はどれくらい変わるか
- 残った一番外の艇(最外艇)の3着以内率はどれくらい上がるか
- 2〜4号艇と比べて、どの艇がいちばん得をするか
- 5艇立ての全艇の1着率・2着率・3着率(欠場した艇ごとの内訳つき)
- 「1-*-最外」「1-最外-*」の3連単を買い続けた場合の回収率
- AI予想モデルと市場(オッズ)は、5艇立てをどう見ているか
調べたデータ(サンプル期間とレース数)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 2022年1月1日〜2026年9月30日(約4年9か月) |
| 対象 | 番組は6艇で、1艇だけ欠場して5艇で走ったレース 2,927レース |
| 比較 | 欠場のない通常の6艇立て 255,445レース |
| 別集計 | 1号艇が欠場したレース 464レース(今回の目的と違うので分けて集計) |
| 除外 | 2艇以上の欠場、レース不成立、フライング・出遅れのあったレース |
| データ | ボートレース公式の競走成績(着順・決まり手・払戻金) |
フライングや出遅れがあったレースは、舟券の返還が絡んで回収率を正しく比べられないため外しています。 また、欠場のタイミング(前日か、展示のあとか)は公式データからは区別できないため、まとめて集計しています。
「最外艇」とは
艇番で決めるのではなく、実際に走った艇のうち一番外の艇を最外艇と呼んでいます。
- 5号艇が欠場 → 最外艇は6号艇
- 6号艇が欠場 → 最外艇は5号艇
- 2〜4号艇が欠場 → 最外艇は6号艇
結果1:1号艇の1着率は少しだけ上がる
| 1着率 | 2着率 | 3着以内率 | レース数 | |
|---|---|---|---|---|
| 通常の6艇立て | 55.2% | 17.5% | 81.6% | 255,445 |
| 1艇欠場の5艇立て | 57.4% | 18.9% | 85.4% | 2,927 |
| 差 | +2.2ポイント | +1.4ポイント | +3.8ポイント |
1号艇の1着率は 55.2% → 57.4%(相対で +4.0%)。年度別に見ても、5年のうち4年で5艇立ての方が高くなりました。
| 年 | 6艇立て | 5艇立て | 5艇立てのレース数 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 55.6% | 57.1% | 749 |
| 2023年 | 55.0% | 57.5% | 664 |
| 2024年 | 55.1% | 58.6% | 635 |
| 2025年 | 54.8% | 54.9% | 537 |
| 2026年(9月まで) | 55.4% | 59.4% | 342 |
ただし、これは「相手が1艇減ったぶん」で説明できる程度の上がり方です。1艇いなくなれば、どの艇も勝つ確率は少しずつ上がります。 後で紹介するAI予想モデルの計算では、相手が減ったぶんだけなら1号艇の1着率は約59%まで上がるはずで、実際の57%はそれより低いくらいでした。 「5艇立てだから1号艇が特別に逃げやすい」とまでは言えません。
結果2:最外艇の3着以内率ははっきり上がる
| 1着 | 2着 | 3着 | 2連対率 | 3連対率 | 着外 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 5艇立ての最外艇 | 6.6% | 12.9% | 22.5% | 19.4% | 42.0% | 58.0% |
| 6艇立ての6号艇 | 3.0% | 7.9% | 15.4% | 10.8% | 26.2% | 73.8% |
| 6艇立ての5号艇 | 5.6% | 11.9% | 17.4% | 17.6% | 35.0% | 65.0% |
5艇立ての最外艇は、3着以内に入る率が42.0%。通常の6号艇(26.2%)より +15.8ポイント、5号艇(35.0%)と比べても高くなりました。
この傾向は毎年ほぼ同じです(2022年から順に 41.8%・44.3%・41.7%・40.2%・40.9%)。 どの艇が欠場しても最外艇の3連対率は41〜44%で、「5号艇が欠場して6号艇が最外」でも「6号艇が欠場して5号艇が最外」でも大きな差はありませんでした。
結果2.5:2〜4号艇と比べると、得をするのは外の艇
最外艇だけが特別なのか、全部の艇が同じように上がっているだけなのかを確かめるため、5艇立ての各艇を通常の6艇立ての同じ艇番と比べました(欠場した艇は数えていません)。
| 艇 | 5艇立て 1着率 | 5艇立て 3連対率 | 6艇立て 3連対率 | 3連対率の差 |
|---|---|---|---|---|
| 1号艇 | 57.4% | 85.4% | 81.6% | +3.9ポイント |
| 2号艇 | 15.0% | 63.1% | 57.3% | +5.8ポイント |
| 3号艇 | 12.0% | 57.9% | 53.8% | +4.1ポイント |
| 4号艇 | 11.1% | 55.3% | 46.1% | +9.2ポイント |
| 5号艇(最外ではない) | 9.1% | 52.4% | 35.0% | +17.4ポイント |
| 6号艇(最外) | 6.9% | 41.7% | 26.2% | +15.5ポイント |
1艇減れば3着以内に入りやすくなるのはどの艇も同じですが、上がり幅は外の艇ほど大きくなっています。
さらに、AI予想モデルの予想から欠場艇を外して計算し直した「1艇減っただけの場合の想定」と比べると、違いがはっきりします(2024年1月〜2026年8月)。
| 艇 | 想定の3連対率 | 実際 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1号艇 | 87.1% | 85.2% | −1.9ポイント |
| 2号艇 | 66.0% | 63.0% | −2.9ポイント |
| 3号艇 | 64.0% | 59.2% | −4.7ポイント |
| 4号艇 | 56.2% | 54.5% | −1.7ポイント |
| 5号艇(最外ではない) | 47.3% | 53.6% | +6.3ポイント |
| 6号艇(最外) | 34.3% | 40.8% | +6.5ポイント |
1〜4号艇は想定より少し下、5・6号艇だけが想定より上でした。
なぜ外の艇が得をするのか
欠場した艇より外にいる艇は、ひとつ内のコースから出られるからです。たとえば2号艇が欠場すると、3〜6号艇はそれぞれ2〜5コースから走ります。
| 艇 | 欠場艇より内側にいたとき | 欠場艇より外側にいたとき |
|---|---|---|
| 3号艇 | 3連対率 56.4% | 62.4% |
| 4号艇 | 3連対率 52.9% | 58.0% |
同じ3号艇・4号艇でも、欠場艇より外にいたときの方が3着以内に入りやすくなっています。 5艇立てで大外が残りやすいのも、多くはこの「コースがひとつ内に入る」効果です。
追加検証:5艇立ての全艇の1着率・2着率・3着率
最外艇だけでなく、残った全部の艇について着順の割合をまとめました。対象は1艇欠場の5艇立て2,927レース(1号艇の欠場は除く)です。 各マスは太字が5艇立て、右が通常の6艇立てです。欠場した艇は数えていないので、艇ごとにレース数が違います。
| 艇 | 1着率(5艇 / 6艇) | 2着率(5艇 / 6艇) | 3着率(5艇 / 6艇) | 3着以内(5艇 / 6艇) | 5艇のレース数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1号艇 | 57.4% / 55.2% | 18.9% / 17.5% | 9.1% / 8.9% | 85.4% / 81.6% | 2,927 |
| 2号艇 | 15.0% / 13.8% | 26.5% / 24.9% | 21.5% / 18.6% | 63.1% / 57.3% | 2,347 |
| 3号艇 | 12.0% / 12.5% | 23.8% / 21.4% | 22.0% / 19.9% | 57.9% / 53.8% | 2,369 |
| 4号艇 | 11.1% / 9.9% | 19.9% / 16.5% | 24.3% / 19.7% | 55.3% / 46.1% | 2,367 |
| 5号艇 | 8.1% / 5.6% | 18.0% / 11.9% | 23.8% / 17.4% | 49.9% / 35.0% | 2,301 |
| 6号艇 | 6.9% / 3.0% | 12.8% / 7.9% | 22.0% / 15.4% | 41.7% / 26.2% | 2,324 |
- 1着率がはっきり上がるのは5号艇(5.6% → 8.1%)と6号艇(3.0% → 6.9%)。3号艇の1着率はほとんど変わりません(12.5% → 12.0%)
- 2着率・3着率はどの艇も上がりますが、外の艇ほど上がり幅が大きくなります(3着率は2号艇 +2.9ポイント、6号艇 +6.6ポイント)
欠場した艇ごとの内訳
どの艇が欠場したかで分けた表です。※は残った艇のうち一番外の艇(最外艇)。1行あたり約560〜630レースなので、1つのマスには±2ポイントほどの誤差があります。
1着率
| 欠場した艇 | 1号艇 | 2号艇 | 3号艇 | 4号艇 | 5号艇 | 6号艇 | レース数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2号艇 | 56.2% | 欠場 | 14.0% | 12.9% | 10.7% | 6.2%※ | 580 |
| 3号艇 | 55.9% | 14.7% | 欠場 | 13.8% | 9.0% | 6.6%※ | 558 |
| 4号艇 | 57.0% | 14.8% | 12.1% | 欠場 | 7.7% | 8.4%※ | 560 |
| 5号艇 | 59.9% | 14.9% | 9.4% | 9.4% | 欠場 | 6.4%※ | 626 |
| 6号艇 | 57.7% | 15.8% | 12.6% | 8.6% | 5.3%※ | 欠場 | 603 |
| (通常の6艇立て) | 55.2% | 13.8% | 12.5% | 9.9% | 5.6% | 3.0% | 255,445 |
2着率
| 欠場した艇 | 1号艇 | 2号艇 | 3号艇 | 4号艇 | 5号艇 | 6号艇 | レース数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2号艇 | 17.9% | 欠場 | 30.0% | 19.3% | 19.8% | 12.9%※ | 580 |
| 3号艇 | 19.4% | 28.0% | 欠場 | 19.7% | 19.2% | 13.8%※ | 558 |
| 4号艇 | 19.8% | 25.2% | 21.1% | 欠場 | 20.4% | 13.6%※ | 560 |
| 5号艇 | 17.9% | 27.5% | 22.2% | 21.2% | 欠場 | 11.2%※ | 626 |
| 6号艇 | 19.7% | 25.5% | 22.2% | 19.4% | 13.1%※ | 欠場 | 603 |
| (通常の6艇立て) | 17.5% | 24.9% | 21.4% | 16.5% | 11.9% | 7.9% | 255,445 |
3着率
| 欠場した艇 | 1号艇 | 2号艇 | 3号艇 | 4号艇 | 5号艇 | 6号艇 | レース数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2号艇 | 10.7% | 欠場 | 18.4% | 24.3% | 21.9% | 24.7%※ | 580 |
| 3号艇 | 10.4% | 19.7% | 欠場 | 26.0% | 23.3% | 20.6%※ | 558 |
| 4号艇 | 8.0% | 23.9% | 23.6% | 欠場 | 25.4% | 19.1%※ | 560 |
| 5号艇 | 8.1% | 20.6% | 25.1% | 22.8% | 欠場 | 23.3%※ | 626 |
| 6号艇 | 8.5% | 21.9% | 20.9% | 24.2% | 24.5%※ | 欠場 | 603 |
| (通常の6艇立て) | 8.9% | 18.6% | 19.9% | 19.7% | 17.4% | 15.4% | 255,445 |
- どの艇が欠場しても、1号艇の1着率は56〜60%
- 欠場した艇のすぐ外の艇が2着・3着で伸びます(2号艇欠場 → 3号艇の2着率 30.0%、3号艇欠場 → 4号艇の3着率 26.0%)。内のコースが空くためです
- 最外艇の3着率は19〜25%で、どのパターンでも通常の6号艇(15.4%)を上回ります
結果3:「1-*-最外」「1-最外-*」の回収率
では、1号艇が勝って最外艇が3着(または2着)に入る3連単を、毎回すべて100円ずつ買ったらどうなるでしょうか。 5艇立てでは1レース3点、6艇立てでは4点(6号艇を最外として)になります。
| 買い方 | レース数 | 的中率 | 回収率 | 平均配当 | 中央値配当 | 最大配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 6艇立て 1-*-6 | 255,445 | 7.9% | 69.2% | 3,488円 | 2,230円 | 109,920円 |
| 5艇立て 1-*-最外 | 2,927 | 13.3% | 74.6% | 1,680円 | 1,200円 | 21,030円 |
| 6艇立て 1-6-* | 255,445 | 3.9% | 68.3% | 7,049円 | 4,150円 | 147,080円 |
| 5艇立て 1-最外-* | 2,927 | 7.6% | 76.5% | 3,014円 | 2,110円 | 28,510円 |
5艇立ては的中率がぐっと上がり、回収率も6艇立てより5〜8ポイント高く見えます。でも、どちらも100%には届きません。
高配当に頼っていないか
| 買い方 | 回収率 | 最大配当1本を除く | 上位3本を除く |
|---|---|---|---|
| 5艇立て 1-*-最外 | 74.6% | 72.2% | 69.1% |
| 5艇立て 1-最外-* | 76.5% | 73.3% | 68.0% |
| (比較)6艇立て 1-*-6 | 69.2% | 69.1% | 68.9% |
高い配当を3本外すと、5艇立ての回収率は6艇立てとほぼ同じになりました。年度別に見ても、2022〜2026年のどの年も100%未満です。 「5艇立ては的中しやすい」は本当ですが、そのぶん配当が安くなっています。
AI予想モデル・市場(オッズ)との比較
TAKENOKO BOAT の本命予想モデル「Champion」の予想から欠場艇を外して計算し直し、実際の結果と比べました(学習に使っていない期間の予想、2024年1月〜2026年8月の1,482レース)。
| AIモデルの想定 | 実際 | |
|---|---|---|
| 1号艇の1着率 | 59.4% | 57.2% |
| 最外艇の3着以内率 | 35.3% | 41.1% |
AIモデルは、5艇立ての最外艇を6ポイントほど低く見ていました。毎年同じ向きで、欠場した艇の位置に関係なく見られます。
では、市場(3連単のオッズ)はどうでしょうか。オッズが残っている211レースで、オッズから計算した「市場の想定確率」と実際を比べました。
| 市場の想定 | 実際 | |
|---|---|---|
| 最外艇が3着になる確率 | 20.9% | 19.9% |
| 最外艇が3着以内に入る確率 | 40.3% | 38.9% |
市場は最外艇をほぼ正しく見ています。 つまり、AIモデルの見落としは配当には乗っていません。 実際、AIモデルが最外艇を低く見ていたレース(下位3分の1)だけに絞ると、最外艇を3着にする3連単(全通り)の回収率は 67.5% → 49.8% と、むしろ下がりました(2026年9月の公開予想を含む1,504レース)。
まとめ
- 欠場で5艇立てになると、1号艇の1着率は少し上がる(55.2% → 57.4%)。ただし相手が減ったぶんの範囲
- 最外艇の3着以内率ははっきり上がる(6号艇の26.2% → 42.0%)。毎年同じ傾向
- 2〜4号艇と比べると、得をするのは外の艇。欠場艇より外の艇はひとつ内のコースから出られる
- 「1-*-最外」「1-最外-*」は的中率が上がるが、回収率は100%に届かない(74.6%・76.5%)
- 高配当を3本除くと、6艇立てと回収率は変わらない
- 市場(オッズ)は5艇立ての最外艇を正しく値付けしている
5艇立ては「外の艇が残りやすいレース」として予想の参考にはなりますが、それだけで勝てる買い方にはなりません。 欠場が出たときは、欠場艇より外の艇(とくに最外艇)を3着候補から外さないことを意識しつつ、オッズとの相談が大切です。
よくある質問
欠場で5艇立てになったレースは、どれくらいありますか?
2022年1月〜2026年9月で、1艇だけ欠場したレースは約3,400レースでした。全レースの約1.3%、1日あたり2レース前後です。
欠場した艇を含む舟券はどうなりますか?
欠場が発売開始後に決まった場合、その艇を含む舟券は返還されます。この記事の集計では、欠場艇を含まない組み合わせだけを買ったものとして計算しています。
5艇立てのときは1号艇から買えば勝てますか?
1号艇の1着率は少し上がりますが、配当も下がるため、回収率がプラスになるわけではありません。この記事の集計でも、どの買い方も100%未満でした。
TAKENOKO BOAT では、全レースのAI予想と、外れも含めた公開成績を毎日載せています。予想は TAKENOKO BOAT、1レースを1画面で見られる 競艇新聞 もどうぞ。
舟券の購入はご自身の判断と責任でお願いします。20歳未満の方は舟券を購入できません。
この記事の数字は、ボートレース公式の過去データを集計したもので、実際の舟券の購入成績ではありません。将来の的中や回収率を保証するものではありません。


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