ブラウザで遊べるゲーム「ONE IN 256」を公開しました。
4つの選択肢から1つ選ぶ。それを4回成功させると、10億ドルをつかんでアメリカンドリーム達成です。
外すと、だいたい借金を背負います。
成功するには4回当てる必要があるのに、借金は1回外せば手に入る。ずいぶん手続きが簡単です。
今回は、このゲームの仕組みと、あわせて作ったTAKENOKO LABのゲームコーナーについて書きます。
## 所持金12ドルから始めるアメリカンドリーム
スタート地点はガレージです。
持っているのは12ドル、借り物のパソコン、根拠のない自信。最後のひとつだけは、かなり潤沢にあります。
最初に選べる商売は、こんな感じです。
– 高級レモネードブランドを立ち上げる
– 犬インフルエンサー専用アプリを作る
– 意識高めの庭看板を売る
– 深夜限定タコストラックを始める
どれも、うまく説明すれば投資家に怒られずに済みそうな気がします。
ここから起業、出資獲得、全米展開、会社売却と進んでいきます。選んだ商売ごとに、成功した理由と失敗した理由も用意しました。
高級レモネードなら、高級ボトルに予算を使い切ったのに、お客さんは水道水を選ぶ。
文章を書いている側としては楽しいのですが、経営者にはたまったものではありません。
## 経営センスより、運が必要です
選択肢を真剣に読んでくれた人には申し訳ないのですが、これは運試しのゲームです。
各章の当たりは4択中1つ。正解はプレイごとにランダムで決まります。
「前回はレモネードで失敗したから、今回は犬だ」
そう考えるのは自由です。ただし、犬があなたを救う保証はありません。
通常ルートで最後まで進む確率は、
1/4 × 1/4 × 1/4 × 1/4 = 1/256
これがタイトルの由来です。
ただ、それだけではあまりに世知辛いので、物語の選択ごとに、別枠で1/256の即クリア抽選も入れています。当たれば途中から一発逆転です。
そのため、特別クリアまで含めた1プレイ全体の成功率は、約0.903%。およそ111分の1になります。
「1/256」と名乗っていますが、少しだけ抜け道があります。夢を売るにも、サービスは必要です。
もちろん、お金はゲームの中だけの話。現実の財布は減りません。日本語と英語の切り替えにも対応しています。
## 今回作りたかったのは、使い回せる土台
このゲームには、もうひとつ制作上の狙いがあります。
一度ゲームの土台を作ったら、中身を入れ替えて別のゲームも作れるようにすること。
毎回、ボタンの動きから作り直していたら大変です。
そこで、ゲームを大きく2つに分けました。
ひとつは、ゲームを動かす仕組み。
文章を表示する。選択肢を出す。選ばれたら当たり外れを判定する。次の場面へ進む。
もうひとつは、その仕組みに読み込ませる中身。
場面の文章、選択肢、成功したときの展開、失敗したときの展開などです。
舞台と役者を毎回ゼロから建て直すのではなく、同じ舞台で台本を替えるイメージです。
## JSONは、ゲームに渡す「台本」
その台本に使っているのが、JSONという形式です。
読み方は「ジェイソン」。名前は強そうですが、ここでの役割は情報を決まった書き方で並べたテキストです。
たとえば、ひとつの場面にこんな情報を入れます。
– 場面の名前
– 画面に表示する文章
– 選べる行動
– 成功したら進む場面
– 失敗したら進む場面
– 表示する画像の場所
ゲーム側は、それを読んで画面を作り、選択に応じて次の場面へ進みます。
今回なら「どの商売で起業する?」という場面ですが、台本を変えれば「どの扉を開ける?」にもできます。
成功すれば次の部屋。失敗すれば落とし穴。
会社をつぶしていた仕組みで、そのまま冒険者を落とせます。土台の再利用としては、なかなか物騒です。
## 「JSONだけで別ゲーム」は、どこまでできる?
今回の土台で扱える、選択式のゲームなら、JSONの文章や分岐を書き換えることで別の物語を作れます。
起業をダンジョン探索に変える。選択肢を面接の受け答えに変える。成功と失敗の文章を差し替える。
こういう変更は、ゲームを動かす仕組みを毎回書き直さなくても進められます。
ただし、JSONを変えれば何でも作れる、というわけではありません。
今回の画面には、アメリカンドリーム向けの見出しや金額表示、専用の演出もあります。作品として丸ごと着替えるなら、その部分や画像も調整します。
キャラクターを自由に歩かせたい、リアルタイムで戦わせたい、という場合は、新しい仕組みが必要です。
同じルールのゲームを増やすときに、中身の制作へ集中できる。
このくらいに考えると分かりやすいと思います。
初心者にとっても、「ゲームを全部作る」より「まず1場面の文章と選択肢を変えてみる」のほうが、試しやすいはずです。
ただし、台本に「次は3番の部屋へ」と書いたら、3番の部屋は用意しなければなりません。文章を変えたあとも、実際に押して確かめる作業は残ります。
## ゲームはできた。ところで、入口がなかった
ゲームを作って公開したところで、もうひとつ整えました。
TAKENOKO LABのゲームコーナーです。
それまでは、ゲーム用のURLを開くと、そのままONE IN 256が始まる状態でした。
1本だけなら困りません。
でも、今後ゲームが増えるたびに「こちらが新作です」「前のゲームはあちらです」と案内するのは、だんだん面倒になります。
そこで、トップページを作品一覧にしました。
各作品をカードにして、タイトル、短い説明、ジャンル、公開状態をまとめています。遊べる作品には「プレイする」ボタンを付けました。
現在は、公開中のONE IN 256と、開発中の中抜き勇者を載せています。
中抜き勇者は紹介だけです。遊べるものはまだ置いていません。社員を雇って冒険に送り出し、報酬を中抜きする経営RPGを作っています。
冒険するのは社員です。こちらは経営に専念します。
## 作品が増えても、入口はシンプルに
ゲームコーナーも、小さく作りました。
パソコンではカードが横に並び、スマートフォンでは縦に並びます。画像がなくても、タイトルと説明を読めば何のゲームか分かる形です。
検索や細かい絞り込みは、まだ付けていません。現在遊べるゲームは1本なので、検索するより見たほうが早いからです。
ゲーム一覧の情報もJSONにまとめています。
こちらはゲームの台本とは別で、「作品名」「説明」「公開先」などを書いた名簿です。その名簿からトップページのHTMLを作るので、作品が増えてもカードを毎回手作業で組み直す必要はありません。
公開するのは普通のHTMLとCSSが中心。サーバーへアップロードすれば表示できる、軽い構成にしました。
元のゲームの仕組みやデータはそのまま残し、一覧から入れる専用の入口を追加しています。
ゲーム本体をいじらず、案内板を設置した形です。
## 次は、台本を変えて遊びたい
今回できたのは、4択ゲーム1本と、それを案内するゲームコーナー。そして、次の選択式ゲームにも使える土台です。
今後は、この土台に違う台本を載せて試していきたいと思っています。
小さなゲームなら、思いついた変な設定を実際に動かすところまで持っていきやすい。遊んでみて微妙だったら、文章や選択肢を変えて、もう一度試せます。
TAKENOKO LABのゲームコーナーは、そういう実験を置く場所にしていくつもりです。
まずは12ドルから、10億ドルを目指してみてください。
借金になっても、ブラウザを閉じれば大丈夫です。


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