競艇の直前情報(展示タイム)はAI予想にどこまで効く?「同じ点数」で検証した新モデルと、欠場レースまで含めた全レース対応の記録

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競艇(ボートレース)の予想で、締切前に出る直前情報——展示タイム、スタート展示、チルト、気象——をどう使うか。 「展示タイムが良い艇は買い」とよく言われますが、それをAI予想に組み込むと、本当に予想は良くなるのか。

AI予想サイト「TAKENOKO BOAT」では、事前のAI予想(Champion)に展示タイムの補正を足した Neo を、2026年9月から実際のレースで記録してきました。 この記事では、その実運用の結果を公平な条件で比べ直したところから、新しいモデル NeoHybrid v1 を作って競艇新聞に載せ、さらに直前情報を全レース・欠場レースまで取りに行くように作り直すまでをまとめます。

先に結論を書くと、展示タイムの補正(Neo)で的中率は上がりましたが、その半分は「買う点数が増えた分」でした。

そこで点数を事前のAI予想(Champion)と同じにそろえ、Neo には「どの目を買うか」だけを任せたのが NeoHybrid v1 です。実運用では同じ点数で回収率が 78.6% → 82.8% になりましたが、まだ統計的に確定とは言えないので、検証を続けながら表示しています。

この記事でわかること

  • 展示タイムでAI予想を直すと、的中率・回収率はどう変わったか(実運用1,605レース)
  • 「的中率が上がった」は本物か——買う点数をそろえて比べ直した結果
  • 展開予想(逃げ・差し・まくり)を確率に足すと良くなるのか
  • 新モデル NeoHybrid v1 の作り方と、採用するかどうかの判断基準
  • 競艇の直前情報を全レースで取りに行く仕組みと、欠場で5艇立てになったときの扱い
  • まだ分かっていないこと、これから確かめること

前回までのおさらい:3つのモデル

TAKENOKO BOAT の予想は、いまこの3つが中心です。

モデル何を見ているか役割
Champion選手×枠の実績、勝率・級別、近況・スタート、モーター2連率など(前日までのデータ)毎日0時半に固定する事前のAI予想。公開買い目はこれ
NeoChampion + 当日の直前情報(展示タイムのレース内の良し悪し、本人のいつもの展示との差、モーターの展示実績)締切18分前から展示を取り、Champion の確率を直す
展開予想選手のコース別の「攻め」と「守り」(逃げ率・差され率・まくられ率など)逃げ・差し・まくり・まくり差しの確率を出す

Neo と展開予想がそれぞれだけ持っている情報は、Neo=当日の展示とモーターの状態、展開予想=選手のコース別の攻め方・守り方です。展開予想の作り方は前回の記事で詳しく書いています。

実運用17日間の検証:Champion と Neo

2026年9月18日〜10月4日に、Neo を計算できて結果が確定した1,605レースで比べました。予想に使ったのはすべて締切前に保存した情報で、結果は採点にだけ使っています。

的中率回収率平均点数1点あたりの的中
Champion28.6%78.6%3.65点7.83%
Neo30.2%80.4%3.90点7.74%
  • Champion だけ当たったのが32レース、Neo だけ当たったのが57レース。この差は偶然では起きにくい水準でした(McNemar検定 p=0.011)
  • 回収率の差は +1.8pt ですが、95%の幅は −2.9〜+6.8pt で、まだ誤差の範囲です

ここで気になったのが平均点数です。Neo は1レースあたり 0.24点多く買っていて、1点あたりの的中はほぼ同じ(7.83% と 7.74%)。 「的中率が上がった」のは、予想が上手くなったからではなく、買う目が増えたからかもしれないのです。

「同じ点数」で比べ直すと分かったこと

そこで、Neo の買い目を Champion と同じ点数にそろえて比べ直しました。Champion が4点のレースなら、Neo の確率が高い順に4点だけ買う、というやり方です。

平均点数的中率回収率1点あたりの的中1点あたりの払戻
Champion3.65点28.6%78.6%7.83%78.6円
Neo(そのまま)3.90点30.2%80.4%7.74%80.4円
Neo(同じ点数)3.65点29.3%82.8%8.04%82.8円

分かったことは3つです。

  • 的中率の改善(+1.6pt)のうち、半分は点数を増やした分だった。同じ点数にすると +0.75pt
  • それでも同じ点数のほうが、1点あたりの的中も払戻も Champion より良い。どの目を選ぶかは少し上手くなっている
  • Neo が自然に「足していた」点は、価値の低い点だった(そのまま 80.4% < 同じ点数 82.8%)

ただし Champion だけ当たり28、同じ点数の Neo だけ当たり40で、まだ偶然の範囲(p=0.18)です。

確率としての良さ

買い目だけでなく、確率そのもののずれ(対数損失・ブライアスコア。小さいほど良い)でも比べました。

  • 1着の確率は Neo のほうが良く、全体では偶然では説明しにくい差(1着の対数損失 1.170 → 1.162)
  • 3連単の確率は、堅いレース(荒れ度 L1・L2)で良くなり、荒れるレース(L3〜L5)では少し悪くなる。全体では差なし

展開予想を確率に足すと良くなるのか

展開予想そのものは、確率の大きさがよく合っています。締切前に保存した440レースで、「逃げ」の確率の当てはまりは、実際の割合をそのまま使うより18.7%良くなりました。

ところが、Neo の確率に展開予想を足しても、着順の予想はほとんど良くなりませんでした(9,520艇で検証、差はほぼ0)。 展開予想は Champion の確率を材料に使っているので、展開の情報の多くは、すでに Champion と Neo の確率に入っているためと思われます。

そこで新しいモデルでは、展開予想を確率には混ぜず、「なぜそう読むか」の説明だけに使うことにしました。

Hybrid の候補は「4つだけ」決めて比べた

Champion・Neo・展開予想を組み合わせる案(Hybrid)は、条件を細かく探せばいくらでも良い数字が作れてしまいます。 過去のデータに合わせすぎた「たまたま儲かったルール」を避けるため、候補は4つだけ、閾値も係数も試す前に固定しました。

候補内容平均点数回収率
ANeo の確率に、展開タグで艇ごと ±3%3.89点80.4%
BNeo と展開の向きが一致したときだけ ×1.053.90点80.1%
C堅い〜並み(L1〜L3)は Neo、荒れ(L4・L5)は Champion3.79点81.4%
DChampion・Neo・展開の評価がそろった艇だけ ±5%3.92点81.8%
参考:Neo を同じ点数に—3.65点82.8%

展開を足した A・B・D は、Neo そのものとほとんど変わりませんでした。一番効いていたのは「点数をそろえる」ことです。

NeoHybrid v1 の作り方

この結果から、役割をはっきり分けた新モデル NeoHybrid v1 を作りました。

部品役割
Champion何点買うかの基準
Neoどの目が上か(順位)と確率の本体
確率の補正表示する確率を、実際の当たりやすさに合わせる
展開予想説明だけ(確率にも買い目にも入れない)

点数のルールは5つだけ、先に決めた

点数の決め方も、候補を5つだけファイルに書いてからバックテストしました。しきい値は2024〜2025年の予測値だけで決め、結果は見ていません。

ルール内容2024〜25年2026年1〜8月実運用
Champion(比べる相手)3.61点・78.9%3.72点・79.1%3.65点・78.6%
P0Champion と同じ点数、Neo の順位で上から3.61点・79.9%3.72点・80.3%3.65点・82.8%
P1自信が高ければ1点減、低ければ1点増3.68点・79.5%3.77点・79.6%3.71点・80.5%
P2荒れ度で点数を固定(L1 5点〜L5 1点)3.52点・79.9%3.56点・81.1%3.66点・79.9%
P3確率の合計が25%に届くまで4.11点・79.3%4.05点・79.4%4.04点・83.2%
P4Champion の点数から、5%未満の目を削る3.33点・80.1%3.43点・80.8%3.38点・83.3%

(各欄は 平均点数・回収率。過去の期間は学習に使っていないデータで計算)

P0 は3つの期間すべてで、同じ点数のまま的中率も回収率も Champion を上回った唯一のルールでした。 回収率だけなら P4 が一番高いのですが、的中率が Champion より約1pt下がります。「点数を削って回収率を良く見せる」形なので選びませんでした。

確率の補正(較正)

Neo の確率を、そのまま「当たる確率」として載せてよいかも確かめました。補正なし・Platt・Isotonic・ビンの4つを、2024〜25年で当てはめて2026年と実運用で比べた結果、実運用で確率のずれが一番小さかった Platt(パラメータ2つだけ)を採用しました。 この補正は確率の大小の順番を変えないので、買い目は変わらず、表示する確率だけが変わります。

採用するかどうかの判断

基準結果
確率のずれが Champion より悪くない2026年は良い。実運用の3連単はほぼ同じ(誤差の範囲)、1着は良い
確率の補正で Neo 単体より良くなる実運用で良くなった
平均点数が Champion 以下同じ
回収率が Champion 以上3つの期間すべてで上回る
前半・後半とも良い前半 83.0%・後半 82.6%(Champion 80.7%・76.5%)
1日だけの大当たりに頼っていない一番良い日を除いても 80.6%(Champion 78.3%)。勝った日11日・負けた日5日
荒れ度ごとに壊れていない過去は全段階で Champion 以上。実運用の L5 だけ負け(163レース・当たり8本と11本の差)

基準はほぼ満たしましたが、実運用の差はまだ統計的に確定していません(p=0.18)。そこで、公開買い目は Champion のまま、NeoHybrid v1 は「検証を続けながら表示する本番候補」として並べることにしました。

競艇新聞に「最新Hybrid」を追加

1レースを1画面で見られる 競艇新聞 の右側(スマホでは下)に、「最新Hybrid」の欄を足しました。

  • 推奨の点数(例:推奨5点)と、補正後の確率つきの買い目
  • 短いタグ:高信頼(1位の確率が高い)、Neo上昇(展示で1着の評価が上がった艇が頭)、展開一致(展開予想と1位の目の頭が一致)
  • 「最新Hybridの内訳」を開くと、上位の目ごとに、補正後の確率・補正前の Neo の確率・Champion での順位と、点数の理由が見られます

研究・検証 のページでは、Champion・Neo・NeoHybrid v1 を同じレースで比べた成績を毎日更新しています。以前の「Hybrid」(荒れ度で穴モデルを切り替えるもの)とは別のモデルです。

競艇の直前情報を「全レース」で取りに行く

ここまでの検証には、大きな弱点がありました。直前情報を取っていたのは、1日最大9場だけだったのです。

なぜ一部のレースしか取れていなかったのか

調べてみると、原因は通信ではありませんでした。

  • 9月17日〜10月4日の全2,856レースのうち、Neo の対象は1,656レース(58%)。残りは「1日最大9場」の枠の外だった
  • 直前情報ページの取得に失敗したのは、3,027回のうち2回だけ(0.07%)
  • 対象のうち計算できなかった42レースの内訳は、欠場15・開催中止とみられるもの14・取得の処理が動いていなかったもの13

つまり「対象を全場に広げるだけ」では足りません。広げても、欠場が出たレースで Neo が止まってしまうからです。以前は展示タイムが6艇そろわないと計算しない作りでした。

欠場の見分け方

公式サイトの直前情報ページでは、欠場した艇の行に印が付き、展示タイムが空になります。この印を読むようにしました。過去1,671レースで、この印とレース結果の「欠場」は全件一致しました。

欠場したら「実質コース」で計算する

欠場があるときは、艇番はそのままにして、出走する艇だけを内から詰めた実質コースを使います。

欠場1号艇2号艇3号艇4号艇5号艇6号艇
4号艇が欠場1コース2コース3コース欠場4コース5コース
2号艇と5号艇が欠場1コース欠場2コース3コース欠場4コース
  • 展示タイムの「レースの中での良し悪し」は、出走する艇だけで比べる
  • 欠場した艇を含む3連単は確率0にして、残りの組み合わせ(5艇なら60通り、4艇なら24通り)で合計100%に戻す
  • 欠場した艇は、1着率・3着以内率・Neo と NeoHybrid の買い目から完全に外す

欠場で5艇立てになったレースの傾向(1号艇の逃げや大外の3着)は、別の記事でまとめています。

一部だけ取れないときは「欠けた分だけ補正0」

直前情報の一部だけが取れないこともあります。そのときもNeo を止めず、取れた情報は使い、取れなかった部分だけを中立(補正0)にします。 中立の値を結果を見て決めることはしません。補正0=Champion と同じ値、だけを使います。

欠けたもの扱い
一部の艇の展示タイムその艇の補正だけ0。展示がある艇が3艇未満なら全艇0
全艇の展示タイム・取得失敗補正0(Champion と同じ確率)。欠場が分かっていれば除外だけ行う
スタート展示・天候・風・波展示の補正には使っていないので、記録だけ

取得に失敗しても一度で諦めず、通信の失敗は30秒後、展示がまだ出ていないときは2分後に取り直します。締切を過ぎてから取れた情報は予想に使いません。 レースごとに「全部取れた」「一部欠損」「欠場を除外」「取得失敗」を記録しているので、あとから状態ごとに成績を比べられます。

いつものレースの予想は1つも変わっていない

作り直しで一番気をつけたのは、欠場も欠損もない普通の6艇のレースの予想を変えないことです。 過去の1,614レースすべてで作り直した前後を比べ、Neo の確率・3連単120通り・買い目、NeoHybrid の買い目と確率が1つも違わないことを確かめてから切り替えました。

救えたはずの欠場レース

過去に Neo が止まっていた欠場15レースを、締切前に保存していた直前情報だけで新しい処理に通してみました。

  • 15レースすべてで計算でき、残った組み合わせの確率の合計はぴったり100%
  • このとき Champion の公開買い目66点のうち36点に、欠場した艇が入っていた(返還)。Neo と NeoHybrid の買い目には0点
  • 成績は15レースだけなので、良し悪しはまだ言えません

スマホの競艇新聞は「出走表 → 展開予想」の順に

スマホで競艇新聞を見たとき、展開予想が画面のいちばん下にあり、出走表と見比べにくい状態でした。 そこで並びを 出走表 → 展開予想 → 直前情報などの詳細 → 最終判断(公開買い目と最新Hybrid) に変えました。選手の並びを見たすぐ下で、逃げ・差し・まくりの確率が見られます。パソコンの表示は変わりません。

まだ分かっていないこと

  • NeoHybrid v1 の回収率の差(+4.2pt)は、まだ偶然の範囲です。実運用でおよそ3,400レースたまった時点で、同じ条件のまま判定し直します
  • 荒れるレース(L5)では、実運用で Champion に負けています。当たりの本数が少ないので、引き続き見ていきます
  • 全レースに広げたので、これまでの9場とは違う場のレースが入ります。全部取れたレースが約3,000、欠場を除外したレースが100〜300たまったところで、状態ごとに確かめます

まとめ

  • 競艇の直前情報(展示タイム)でAI予想を直すと、的中率は上がった。ただしその半分は買う点数が増えた分だった
  • 点数を事前のAI予想と同じにそろえると、1点あたりの的中も払戻も良くなった。展示は「何点買うか」より「どの目を買うか」に効いている
  • 展開予想は確率に足してもほとんど伸びないので、説明として使う
  • 新モデル NeoHybrid v1 は「Champion の点数 × Neo の順位 × 補正した確率」。点数ルールは5つだけ事前に決め、一番単純な P0 を選んだ
  • 直前情報は全レースで取りに行き、欠場は実質コースで計算し、欠けた部分だけ補正0にする作りに変えた。普通のレースの予想は変わらない

よくある質問

展示タイムが良い艇を買えば勝てますか?

展示タイムは予想を少し良くしますが、それだけで勝てるものではありません。TAKENOKO BOAT の検証でも、展示で直した予想(Neo)の回収率は80%前後で、100%には届いていません。

NeoHybrid v1 は公開買い目ですか?

いいえ。公開買い目と公開成績は、これまでどおり事前のAI予想(Champion)です。NeoHybrid v1 は、検証を続けながら競艇新聞に並べて表示している本番候補です。

欠場が出たレースの予想はどうなりますか?

直前情報で欠場が分かると、欠場した艇を含む組み合わせを確率0にして、出走する艇だけで計算し直します(Neo と NeoHybrid)。事前のAI予想(Champion)の公開買い目は変えないので、欠場した艇を含む買い目は返還になります。

直前情報が取れなかったレースはどうなりますか?

展示の補正を0にして、事前のAI予想(Champion)と同じ確率で表示します。競艇新聞には「直前情報なし」と小さく出ます。


TAKENOKO BOAT では、全レースのAI予想と、外れも含めた公開成績を毎日載せています。1レースを1画面で見られる 競艇新聞、毎日の予想は TAKENOKO BOAT、検証の記録は 研究・検証 からどうぞ。

この記事の数字は、ボートレース公式のデータを使った集計・検証の結果で、実際の舟券の購入成績ではありません。将来の的中や回収率を保証するものではありません。

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