そもそも古い資本主義は?
新しい資本主義と対比される古い資本主義について簡単に説明します。
- 資産家おじさんが最強
- 労働の価値<投資の価値
- 市場原理による成長と淘汰
資本主義とは生産手段を資本家・企業者の階級が所有し、自分たちの利益追求のために労働者を働かせて生産を行う経済体制です。
労働者が工場で生産した物を売って利益は資本家や企業者が独占して、労働者には相応の報酬を与えるわけですね。
資本者は企業者はより売れる物を追及して投資活動をします。流行りそうなものに先行投資して廃れそうなものはポイ捨てします。
変化についていけない人達はポイ捨ての対象です。
資本主義社会では労働者はコストとみなされて、資本家は出来るだけ労働者に払う人件費をケチろうとします。
世界のグローバル化で先進国の単純労働は後進国で行うことにより人件費をケチる事に成功しました。
イケてる企業は成長し続けて、そこに投資している人は大儲けして働かなくてよくなりました。
時代の変化についていけない企業は順次潰れていきます。これが市場原理による淘汰です。
日本の資本主義の問題
日本は昔は資本主義の勝ち組でしたが、今はすっかり負け組になってしまいました。
問題点は以下に示します。
- 人件費の高騰による価格競争力低下
- 企業の低成長による陳腐化
- 新しい成長産業ナッシング
戦争に負けた頃は日本人は貧乏でした。しかし基礎技術力は持っていました。
他国と比較して教育は行き届いており、真面目で民度も高いため生産性は世界屈指でした。
アメリカさんがちょっとお手伝いすると一気に世界2位の経済大国になりました。
ただの労働者も経済成長と共に給料が伸びて、他の国の基準では金持ちクラスとなりました。
有頂天になって他国からいろんな物を買いあさるようになりました。
しかし妬まれまくったので先進国の責務を押し付けられて他の国を助けるようになりました。
日本の企業もグローバル化して他国に簡単な仕事を教えて、日本の仕事の一部を後進国で行うようになりました。
単純な労働者は日本ではいらない子になりましたが、日本の法律的に簡単に解雇できません。
いらない子にも給料をいっぱい払わないといけないので企業は不良債権を抱えているようなものです。
新しく不良債権を抱えたくないので、若い人を雇いたくなくなってきました。
そうすると、企業に価値を与えてくれるような素晴らしい人材が出てこなくなりました。
実は今までは価値の高い労働者が企業の価値を支えてきましたが、見事にいなくなり企業の競争力が低下してしまいました。
また、他国に日本の技術やノウハウを教えまわった為、日本でしか作れなかった物が他の国でも作れるようになりました。
他の国の方が人件費が安いため、他国の製品の方がコスパがよくて売れます。日本の物は以前より売れなくなりました。
ならばと新しい商品を開発しようと頑張りますが、そんな革新的な能力のある人は全然いませんし、いても今まで評価されずに腐っております。
裏の問題としては以下のような問題があり、成長を妨げています。
- 昔の金持ちが自分の利益を確保するための仕組みを構築していて、新参企業が参入するのが難しい。
- 日本の教育は質のいい労働者を生み出すには向いているが、質のいい起業者や経営者を生み出すには向いていない。
- 少子高齢化により、国内需要が先細り
日本の大企業はIT関連以外はほとんどが高度経済成長期より前に発足した会社です。昔の日本は至る所で困っていたので起業しやすい土壌にありました。既得権益も一掃されていたためある意味フロンティアだったのです。
また、日本は古来より教育の水準が高くて、貧乏になった時でも子供は勉強をしていました。両津勘吉や磯野カツオや野比のび太のような出来の悪い子供でもちゃんと学校へ通うのが普通です。テストで0点を取っていても地頭や集団生活能力は学んでいます。
集団行動や最低限の知識の下地があり、幸いにも仕事はいくらでもある時代なのでみんなそれなりに質のいい労働者になれました。
教育現場も独創性よりも規律性を重んじて教育してきました。それはそれで悪くはありません。
ただし、集団行動が得意なのが逆に仇となって現在の問題となります。
昔からある枠組みがやたら強くて、出る杭は打たれるような企業風土、社会風土が出来上がってしまい、実権を握る層は固定化されてしまいました。
企業もトップダウンが主流です。起業家が中心となるトップダウンなら救いはあるのですが、サラリーマン経営陣のトップダウンとなると話は違います。自分を出世させる能力は高いですが、新規開拓や新商品のアイデアはあまり得意ではないタイプが多いです。会社を維持するのには向いていますが、成長させるような能力はあまりありません。
結果として、成長性の高い会社を潰しまくった挙句、自分の会社も低成長となってしまっているのです。
そして日本は少子高齢化で生きのいい若者が減り、消費にあまり熱心でない高齢者が増えたためにこれ以上の成長が見込めない国となっております。
資本主義における成長=新しい資本主義
経済というのは困っている問題を解決することで成長していきます。
世間ではSDGsというキーワードを使って新しい成長の機会にしようと画策しています。
でも実際にはあまり困っていないですよね。本気で解決する気にならねーからそれっぽい事でお茶を濁そうというのが世間一般の取り組みです。
アメリカやヨーロッパの人は、他国の足を引っ張るために新しい規制を作って自分の思い通りに世界をコントロールしようとします。
電気自動車推進も日本のトヨタの環境性能に敵わないから日本以外の国がとても推奨する訳ですね。
じゃあ成長するために、古い価値観を捨てて新しい価値観を押し付けようってのが国が主導する新しい資本主義となりそうなわけです。
耳障りの言いLBGTや平等や女性の社会進出などですね。
それで世の中の問題が解決されてばいいのですが、現在は言ったもん勝ちで大多数の人の利益にはならずむしろ損ねている感じです。
女性の社会進出だけはなんとかマシに出来る可能性はありそうですが、解決されるのは次世代以降になると思われます。女性の敵は女性なので優遇されていないおばさま達が敵になる未来が見えます。
ともかく、お国の人は耳障りのいい言葉でそれっぽい事を言っているだけで、具体的な内容はこれから考えるのでしょう。
ここからは個人的な意見で新しい資本主義はこうすればいいじゃんというお話です。
1.経済犯罪の罰則強化
脱税やオレオレ詐欺や粉飾決算等ですね。会社経営者の罰則を強化して会社のお金を国庫に返してもらいましょう。悪い事をして儲けようとする個人や企業は許してはいけません。
悪銭はひたすら回収しまくって国の借金を減らしましょう。財務省もにっこりです。
2.独身税を取り立てて子供世代の教育費へ
子供の貧困が取り沙汰されています。シングルマザーはお金がありません。世の中には独身の男女が増えまくっています。
国の未来のために子育て費用を子供のいない人達から捻出してもらいましょう。30代で独身税を取られるようにすれば偽装駆け込み結婚も増えるでしょう。社会も安定するし一石二鳥ですね。
3.後期高齢者は高齢者施設へ
そろそろ年金を配るのにも疲れてくる頃合いです。後期高齢者は誰かが面倒を見なくてはいけませんが少子化でそんな都合のいい人間はあまりいません。
年金の支給をストップする分、最後まで面倒を見てくれる施設で面倒を見ましょう。一極集中でやれば単身で面倒を見るよりも効率的です。
4.学校はスキル制
学校で教えられることと社会で必要となる技能にはギャップがあります。みんな英語とプログラミングが自由自在にできれば問題はないのですが、同じ学校出身でも出来る人と出来ない人がいるので会社の人はスキル管理に困ってしまいます。
低学歴の労働者にとっては学校よりも資格取得の方が社会の役に立ちます。資格もなくても十分な技能がある事さえ証明できれば十分即戦力です。社会人や女性も同じ指標で学び直しでスキル習得すれば再就職にも困りません。
中学生の頃から職務経歴書を書かせて出来る技能を増やしていきましょう。出来る事があれば学校中退してもやり直し可能という風土を作ればみんな幸せです。
とりあえずこんなもんですかね。
コメント