今やらなければ、二度と作れないかもしれない

今やらなければ、二度と作れないかもしれない

酒を飲みながら書いているので、たぶん話はまとまらない。

でも最近ずっと思っていることがある。

これ、いつまで使えるんだろう。

AIがなくなるとか、ブームが終わるとか、そういう話ではない。

今みたいに普通の人間が月20ドル程度のお金を払うだけで、人類の最先端技術の端っこに触って、好き勝手に使える。

この状態がいつまで続くんだろう、という話だ。

私は結構、異常な時代だと思っている。

みんな、思っているほどAIを使っていない

AIの話は毎日のように流れてくる。

仕事がなくなる。

便利になる。

検索が変わる。

プログラマーがどうなる。

クリエイターがどうなる。

でも実際に使い倒している人は、まだ一部だと思う。

多くの人は今までの生活を維持したまま、その横にAIを置いている。

メールを書いてもらう。

文章を要約してもらう。

分からないことを聞く。

それでも十分便利だ。

でも、それだけではもったいない。

もっと無茶苦茶なことができる。

自分ができなかったことを、片っ端からやらせればいい。

プログラムを書けないなら書かせる。

絵が描けないなら作らせる。

分析できないなら分析させる。

ゲームを作ったことがないなら作ってみる。

動画を作ったことがないなら作ってみる。

知らない分野なら、一緒に調べながら入っていけばいい。

成功するかどうかは知らない。

たぶん大半は失敗する。

でも、

「自分にできるかどうか試してみる」

ためのコストが異常なくらい下がっている。

これがすごい。

月20ドル程度の有能な部下

考えてみれば、とんでもない話である。

多くの知的作業では、人間の平均をかなり上回る能力を持ったAIが、月20ドル程度で公開されている。

文章を書く。

調査する。

コードを書く。

数字を見る。

企画を考える。

知らないことを説明する。

こちらの雑な指示を、ある程度補完して仕事まで進める。

しかも基本的には文句を言わない。

夜中に仕事を振ってもいい。

同じことを10回聞いてもいい。

作ったものに、

「違う。全部やり直し」

と言っても、

だいたいもう一度やる。

人間の部下に毎日これをやったら、そのうち上司の方が人事から呼び出される。

AIはかなり従順である。

従順な部下を持つと、上司は楽できる。

これはもう仕方ない。

私だって楽をしたい。

できる仕事は全部渡したい。

自分でやるより速いなら、やってもらえばいい。

ただしAIにも一応、労働基準らしきものはある。

使いすぎると週間の利用上限に引っかかる。

さらに働かせたければ追加クレジットを買う。

妙なところだけ現代の労働環境である。

それでも管理職の立場で考えれば、使わない理由があまりない。

その部下を使うことで仕事が速くなる。

生産量が増える。

今まで作れなかったものが作れる。

最終的に利益が増える。

だったら使う。

当たり前である。

経営者だったら、

「AIを使うべきでしょうか?」

なんて会議を延々やるより、

「AIにどこまで仕事を渡せば利益が最大化するか?」

を考えた方がいい。

使った方が儲かるなら使う。

非常に簡単な話だ。

個人も同じだと思う。

自分という零細企業に、突然かなり有能な部下が配属された。

だったら働いてもらう。

いっぱい働いてもらう。

自分は判断する。

方向を決める。

出来上がったものを見る。

違ったら直させる。

上司は楽をする。

理想的である。

……という予定だった。

なお私は儲かっていない

ここまで偉そうに書いているが、私は別にAIで大儲けしているわけではない。

むしろ現在、研究開発費が先行している。

競艇のAIを作る。

データを集める。

検証する。

もっとデータが欲しくなる。

そしてデータベースを買う。

「これは必要経費だから」

「データが増えれば精度が上がるから」

「研究開発だから」

と言いながら買う。

赤字である。

おかしい。

月20ドル程度で有能な部下を手に入れたはずなのに、社長が競艇のデータを買って利益を溶かしている。

AIが有能になったからといって、経営者まで自動的に有能になるわけではなかった。

これは重要な発見である。

たぶんAI時代になっても、

「道具がすごい」

ことと、

「それを使って儲けられる」

ことは別なのだ。

高性能なAIを与えられても、くだらないゲームを作る人間はくだらないゲームを作る。

競艇が好きな人間は競艇のデータを集める。

変なことを考える人間は、さらに高速で変なものを作る。

AIは人間を賢くするというより、人間が元々持っていた方向へものすごい勢いで加速させるものなのかもしれない。

それはそれで面白い。

むしろ普通の人間ほど、とんでもないブーストを受けている

頭のいい人がAIを使えば強い。

それは当然だと思う。

でも恩恵の大きさで考えると、むしろ普通の人間の方がすごいんじゃないかと思っている。

かなり乱暴に言えば、偏差値60以下くらいの人が受けているブーストは相当大きい。

偏差値そのものに大した意味はない。

言いたいのは、

「今までなら自分一人では到達できなかった知的作業に、突然手が届くようになった」

ということだ。

専門家ではない。

プログラマーでもない。

デザイナーでもない。

研究者でもない。

それでも、かなり奥まで行ける。

分からなければ聞けばいい。

もう一回説明して、と言えばいい。

もっと簡単に、と言えばいい。

逆にもっと詳しく、と言ってもいい。

初歩的な質問を100回してもいい。

夜中でも付き合う。

休日でも付き合う。

くだらない話にも付き合う。

変な企画にも付き合う。

たまに怒られるような話をしても、だいたい別の道を探してくれる。

こんなパートナー、そうそういない。

しかも100ドルもしない。

冷静に考えるとおかしい。

この状態が続く保証はどこにもない

AI企業は慈善事業をしているわけではない。

OpenAIも、そのほかの企業も競争している。

巨大な研究費が必要になる。

大量の計算資源が必要になる。

そして当然、利益も出さないといけない。

だから今の料金体系がずっと続く保証なんてない。

もっと安くなるかもしれない。

逆に高くなるかもしれない。

利用回数に厳しい制限が付くかもしれない。

高性能モデルが法人向け中心になるかもしれない。

企業だけでもない。

政府が、

「これは危ないので制限します」

と言えば環境は変わる。

国ごとに使える機能が違う世界になるかもしれない。

極端な話、

「最高性能版はアメリカ国内限定です」

と言われたら、私はどうしようもない。

私が独裁者だったら、たぶんかなり規制する。

それくらい強力な道具だと思う。

なのに今は、普通の会社員がクレジットカード一枚で使える。

これは当たり前の状態ではないと思っている。

AIが進歩することと、私が使えることは別

AIそのものは、たぶんこれからもっと賢くなる。

でも、

「AIが賢くなる」

ことと、

「私が自由に使える」

ことは全然違う。

性能が10倍になりました。

料金も10倍になりました。

だったら個人にはあまり嬉しくない。

性能が上がりました。

ただし用途審査があります。

これも面倒だ。

性能が上がりました。

法人契約専用です。

私は使えない。

技術は進歩しているのに、個人にとっては今より面白くない。

そんな未来は普通にあり得る。

だから、

「もっといいAIが出たらやろう」

とは思わない。

今やる。

今使えるから使う。

くだらないものでも残しておく

私は今のうちに、何かを残しておきたいと思っている。

大成功しなくていい。

適当でもいい。

未完成でもいい。

くだらなくてもいい。

ゲームを作る。

文章を書く。

キャラクターを作る。

データを集める。

変なシステムを作る。

思いついたものを、とりあえず形にしておく。

世の中に評価されなくてもいい。

半年後に自分で見て、

「なんだこれ」

と思ってもいい。

それでも存在している。

AIを使って100個作って、99個ゴミでもいいと思っている。

1個残ればいい。

あるいは全部ゴミでもいい。

少なくとも、

「あの時やっておけば作れたのに」

とは思わなくて済む。

「できない」が急速に言い訳にならなくなっている

これは少し怖い話でもある。

昔なら、

絵が描けない。

コードが書けない。

動画編集ができない。

文章が苦手。

デザインができない。

それだけで、かなり多くのことを諦める理由になった。

今は違う。

全部できなくても、とりあえず始められる。

もちろんAIがあれば何でもできるわけではない。

失敗する。

間違う。

意味不明なことも言う。

途中で投げたくなる。

それでも、昔より圧倒的に入口が広い。

だから今後、

「自分には能力がないからできなかった」

という言葉は、少しずつ弱くなるのかもしれない。

代わりに、

「やらなかった」

が残る。

これは結構残酷だと思う。

今はボーナスタイムなのかもしれない

あとから振り返れば、今はかなり特殊な時代として扱われるのかもしれない。

人類最高クラスのAIが急速に一般公開され始めた。

まだ料金も安い。

企業同士が競争しているから、次々に新しいものが出てくる。

個人がその競争の恩恵を直接受けられる。

こんな期間が何年続くのかは分からない。

10年続くかもしれない。

2年で終わるかもしれない。

案外ずっと続くのかもしれない。

分からない。

だから使う。

分からないなら、今使う。

それでいいと思っている。

今作る

私は別にAIの未来を予測したいわけではない。

どの会社が勝つかも分からない。

AIがどこまで賢くなるかも分からない。

規制がどうなるかも分からない。

ただ一つ分かるのは、

今、使える。

ということだ。

だったら今使う。

従順で有能な部下が月20ドル程度で働いてくれるなら、働いてもらう。

自分はその分、楽をする。

楽をした分、もっと変なことを考える。

そして何か作る。

残す。

失敗する。

また作る。

適当でもいい。

未完成でもいい。

くだらなくてもいい。

儲からなくても……いや、できれば儲かってほしい。

競艇DB代くらいは回収したい。

でもまあ、それは次の課題である。

今なら作れる。

でも今を逃したら、同じ条件では二度と作れないかもしれない。

だから私は、今のうちに作っておく。

酒を飲みながら考えたところでは、たぶんそれでいい。

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